ボトックス治療
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ボトックス治療とは
疲ボツリヌス菌(食中毒の原因菌)が作り出す、天然のたんぱく質を有効成分とする薬剤を筋肉内に注射する治療方法です。
筋肉の緊張をさせている神経を抑える働きがあり、注射することで筋肉の緊張を和らげることができます。
また、ボツリヌス菌をそのまま注射するわけではないので、感染の心配はありません。
上下肢けい縮
上下肢けい縮とは
脳卒中などで脳が損傷した結果、筋肉を曲げる信号や筋肉を伸ばす信号のバランスがとれなくなり、手が曲がる、足先が伸びきってしまうなどの自分の意志とは異なる肢位をとる状態のことです。
昔は、治療して筋膜を切る外科手術がありましたが、現在はより侵襲の少ないボトックス治療が選択できます。
ボトックス治療で期待される効果
・手足の筋肉が柔らかくなり、動かしやすくなることで、日常生活やリハビリテーションを行いやすくなる。
・関節の固まりによる動きにくさや変形を予防できる(拘縮予防)。
・手足のつっぱりによる、痛みが和らぐ。
・介護の負担が軽くなる。
上下肢けい縮におけるボトックス治療の流れ
・治療には、必ず予約が必要です。
・注射の前に、先生の診察が必要です。診察の時に、症状や困りごとをご相談ください。
・注射後2~3日ほどで徐々効果があらわれ、通常3~4か月持続しますが、徐々に効果が消えていくので、継続を希望の方は、年に数回の注射が必要になります。
・必要な筋肉に細い針で注射を行います。
・注射する範囲にもよりますが、およそ15~20か所に注射を行います。
・注射を行った後は、その肢の曲げ伸ばしリハビリを行います。これは、自宅でも継続して行うことで効果を高めることができます。
片側顔面けいれん・眼瞼けいれん
片側顔面けいれんとは
十二脳神経の1つである、顔面神経の根本や関連する脳の障害により顔を動かす筋肉が、不随意に動いてしまう疾病です。
原因となる頭蓋内の問題が画像で判断できることが多いため、画像診断を行ってから治療計画を立てます。
手術で根治的に改善が期待できますが、手術以外ではボトックス治療が有効です。
眼瞼けいれんとは
原因が特定されていない顔面筋の不随意運動で、まばたきの増加や目が開けにくいなどの症状をきたす疾病です。内服治療のほかボトックス治療が選択できます。
まぶしくて帽子やサングラスが手放せない方やドライアイの治療を受けても治らない方の中に眼瞼けいれんが隠れているかもしれません。
眼瞼けいれん・片側顔面けいれんのボトックス治療のながれ
・治療には、必ず予約が必要です。
・必要な筋肉に細い針で注射を行います。
・痛みの対策として、麻酔のクリームをオプションで選択できます。
麻酔のクリームは効果発現に60分程度の時間を要しますので、お時間に余裕が必要となります。
・注射効果を低減させないために、3時間は入浴や運動などの体温を上げる行為は控えたほうが無難です。
原発性腋窩多汗症
多汗症とは
全身もしくは局所に大量の発汗がおこり、日常生活に支障をきたす状態のことです。
原因が特定されていないものを原発性多汗症、疾患に伴う(例えば結核、甲状腺、大脳皮質の病気など)ものを続発性多汗症といいます。
原発性腋窩多汗症とは
特別な原因がないのにワキに大量に汗をかく疾病のことです。
HDSS(多汗症疾患重症度評価度)
汗症疾患重症度評価度(hyperhidrosis disease severity scale:HDSS)とは、原発性局所多汗症の重症度を評価するスケールです。数字が大きくなると重症度も高くなります。
①発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない
②発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
③発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
④発汗は我慢できずに、日常生活に支障がある
多汗症の学業や仕事への影響
・学校行事に参加できないことがあった
・欠席、早退、遅刻をすることがあった
・習い事をやめた
・不登校になった
・希望の職種、職業をやめた経験がある
・仕事に支障があった
・遅刻や早退をすることがあった
・就職、転職活動でおとされた など
原発性腋窩多汗症のボトックス治療のながれ
・治療には、必ず予約が必要です。
・腋窩に細い針で注射を行います。
・効果は、注射後2~3日ほどで徐々にあらわれ、個人差はありますが3~4か月ほど持続します。
・注射効果を低減させないために3時間は入浴や運動などの体温を上げる行為は控えたほうが無難です。
注意事項
下記の方は各ボトックス治療を受けることができません
・全身性の筋肉の脱力を起こす病気(重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋委縮性側索硬化症など)がある方
・ボトックスで発疹などのアレルギーを経験したことがある方
・妊娠中や妊娠の可能性がある方
※ボトックス療法を受けた事がある方は、疾患名・時期・投与量を教えてください。
※内服中の薬剤がある方は、薬剤名をお伝えください。